スペシャルコンテンツ
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アラタナ+Special Talk

アラタナ+有限会社一平 村岡 浩司様

「地方から見れば、東京もアジアも等しくグローバル」

今回のスペシャルトークでは、アジア進出を果たした九州パンケーキをはじめとする食に関する事業を展開されている有限会一平の村岡浩司様をお迎えし、対談させて頂いた模様をご紹介いたします。
同じ宮崎の地方企業としての考え方や、海外進出についてお話頂きました。

山本
海外や日本各地に出向かれていて、本当にお忙しそうですね。村岡さんの会社のようにかっこよくて、おもしろいことをしている会社が九州にもいっぱい出てきていることを若い子たちにももっと知って欲しいです。
村岡様
東京だけがすべてじゃないって知って欲しいですね。今から大事なのはその土地にあったイノベーション的発想や人との出会い、そういった出会いが化学変化を起こして新しいものを生み出していく仕組みだと考えています。私が経営しているカフェでも、コミュニティの中で「場」としての役割を果たしていけるよう目指しています。
「食」の分野でいうと、地産地消やサプライチェーンの視点が重視されがちですが、それだけで終わってはいけないと私は思っていて、マーケティングやブランディングといった様々な視点も必要ですし、誰がその視点を持つのか、誰が加わるとシナジーが生まれるのか、誰に届けたいのかを明確にしなければいけません。
そして、それらが明確になった時はその技術・手法をもっているクリエイターやマーケッターが必要になります。こういった人達との出会いこそがビジネスの発展やつながりを作っていく時代です。
出会える人間力がある人が生き残っていく時代が来て、ビジネスをお金だけの価値観で見ている人には辛い時代が来るはずです。
山本
お金だけに邁進していると、流れの早い現代の世の中についていけなくなりそうですね。
昔は広めることでビジネスが成り立ってきましたが、最近はSNSなどからユーザーが情報を得て、賢くなり、情報を選べるようになりました。そのような時代が到来したことにより、今は一つのビジネスを深めれば深めるほど、ビジネスが成り立つようになってきました。

村岡浩司様 有限会社一平

村岡様
そうですね。ユーザーが得る情報が豊富になったからこそ、儲かりそうだからやろう、後付けでストーリーをもたせておこう、というビジネスは最近のユーザーには通用しなくなったと思います。
だからこそ、何を伝えたいの?何をやりたいの?という問いかけを常に自分に投げかけることが大事です。
山本
私もその問いかけを大事にしています。ストーリーがあってこそビジネスは成り立ちますよね。
九州パンケーキのカフェはアジアにも出店されていますが、なぜ日本国内ではなくアジアを選ばれたのですか?
村岡様
グローバルという考えは常に脳裏にあります。これは80年代後半から90年代前半のベンチャー企業がたくさん生まれた激動のアメリカを自分の目で見てきたことがバックボーンになっています。
宮崎のように地方のマーケットだけで戦ってきた企業にとっては、東京も台湾もシンガポールも外であることに変わりなく、等しくグローバルのようなものです。
九州パンケーキでいうとパンケーキが一過性のブームとしてすでに溢れてしまった東京に新しく入っていくよりも、日本の文化や付加価値に興味をもってくれているアジアのマーケットの方が、私達が売り出していきたいものを評価してもらいやすいと考えました。このように視点によっては東京に行くよりもアジアの諸外国に出て行くほうがリスクが少ないこともあります。
もちろん世界有数の大都市である東京は確かに魅力的でマーケットとして外せません。
しかし、これからの将来性を考えるとアジアの方がチャレンジングでベンチャー向きだと私は感じています。

村岡浩司様 有限会社一平

山本
確かにそう言われてみると東京の方が有象無象でリスクが大きく感じますね。流行も変わりやすいですし。
村岡様
チャレンジの範囲を絞らないからリスクを考えてしまうのだと思います。
例えば2,000万円までと決めてチャレンジするとします。この範囲を限定して挑戦すれば、たとえ上手くいかなかったとしても「失敗」は次につながる経験として活かしていけるものです。
将来得られるリターンの可能性と足下のリスクを比較して、チャンスがあれば果敢に挑むことが大事だと思います。
山本
アラタナでも海外に出ていけるような開発・手法を考えていきたいです。
では、アジアに進出した九州パンケーキの今後の目標を教えてください。
村岡様
「九州」というカテゴリーで、まずは先手を打ってしっかりと足下を固めたいと考えています。「九州」そのものをブランド化し、その「九州」を背負った九州パンケーキになりたい。
北海道のイメージを思い浮かべることって誰でもできますよね。ステレオタイプなことでいいです。牧場、牛、牛乳、チーズ…どこの人でも同じようなことを思い浮かべることができると思います。これは北海道というブランドがスタンダードになっている証拠です。
この3〜5年で九州もそうなりたい。宮崎だけにこだわるのはナンセンスです。県境で区切らずに九州という一塊で見ると、品種の多様性は北海道よりもあります。九州各県それぞれの得意分野はありますが、だからこそ区切らずに「九州」全体でブランドを創っていきたい。
海外に出て行くことでも、未知数のシナジーが生まれます。今すでに九州の土壌×台北のパートナー×香港のメディアという掛け算が生まれています。どんどん掛け算が生まれて、九州パンケーキが本物になっていく。そして海外で本物に育った九州パンケーキをまた新しい形で九州の皆さんに届けたいと考えています。
山本
そうやって育っていく九州ブランドに色々な人が出会って結合して、面白いものを生み出していけそうですね。
最後に若手起業家に向けてメッセージをお願いします。

村岡浩司様 有限会社一平

村岡様
起業家はもっと旅をした方が良いと思います。
旅で得られる人との出会いももちろん大事ですが、様々な場所を見てきて欲しいです。外に出ることでより一層、地元が好きになります。僕の場合は宮崎がもっと好きになりました。 外に出てこそ、ビジネスの種は見つかると考えています。ビジネスの種を見つけたらそれを育てるために寝食を惜しまず全力で取り組む、そんな起業家としての本能を信じて欲しいです。
チャレンジしたいと考えている人は大勢いると思います。ですが、気持ちだけではチャレンジは実現しませんし、チャレンジしたいことがいっぱいあっても最初の1歩目を覚悟を持って踏み出さないと現実味が出ません。
どうしてもチャレンジしたい、踏み出してみたい、抑えきれないというくらいの気持ちを持ってください。
昔と比べると今は環境が整備されてきました。宮崎でいうと宮崎スタートアップバレーなど、やる気のある人が行く場所ができています。是非、奮起してほしいです。
本当のやる気があるかどうかで差が大きくなる時代になってきました。
これは私の主観ですが、今はもうグローバルにみると日本には優位性が無くなってきたと感じています。チャレンジする時は地域だけの狭い世界を見ずに、日本や海外といった外を見る広い視野を持って欲しいです。
山本
これからは広い視野がより一層必要になると私も思います。
村岡さんとはやっていることは違いますが、お互いが融合できれば力強いうねりを宮崎から生み出していけそうだなと感じました。 本日はありがとうございました。
村岡 浩司(むらおか こうじ)様プロフィール
  • 1970年宮崎県生まれ。
  • 有限会社一平 代表取締役社長
  • 宮崎の郷土料理、レタス巻き発祥のお店「一平寿し」の2代目店主。「食」に関する事業を精力的に行っており、九州パンケーキ開発・販売やカフェ経営、宮崎地区タリーズコーヒーの経営等を行っている。
  • http://www.kyushu-pancake.jp/
  • http://www.ippei-sushi.com/
  • http://www.corner-cafe.asia/